お願いだから、好きだと言って!!
「ごめんね、絃ちゃん。僕たちのしょうもない兄弟喧嘩に付き合わせちゃって」
雅兄は少し歳も離れているし、大人なだけあって喧嘩をすることは全くない。
喧嘩をしたのなんて、もう何年前なのか思い出せないくらい。
そんな雅兄とは打って変わって、蓮兄とは1歳違いという年の近さから、喧嘩をすることはしょっちゅう。
母さんたちが家を離れる時も、僕たちのことを心配してたっけ。
「ううん、私こそごめん。……余計なことしちゃったよね」
途中で口を挟んでしまったことに、罪悪感を感じてしまっているらしい。
全然、絃ちゃんが悪いことはないのに。
「大丈夫だよ、絃ちゃん。気にしないで?」
多分そんなことを言っても、絃ちゃんのことだから、考えちゃうのかもしれないけれど。