お願いだから、好きだと言って!!
「そうだ。お風呂沸かしてあるから、先に入ってきたらいいよ」
「本当?あ、でもお皿洗わないと……」
「いいんだよ、僕やっておくから!」
「葵くんだけに任せるのは悪いよっ」
「いいの。迷惑かけちゃったから、これくらいのお詫びはさせてよ。ねっ?」
「ありがと、葵くん」
絃ちゃんはふわりと笑って、お願いしますとリビングを出ていった。
「……はぁ。僕は弟、かぁ」
さっき、蓮兄にそう言っていた。
僕の予想は大当り。
やっぱり絃ちゃんにも僕は弟としか目に映っていないよね。
どうしたら、僕として。
男として見てくれるだろうか。
「ごちそうさまでした」
ゆっくり食べていた焼きそばを美味しく平らげて、そんなことを考えながら食器を洗っていた。