お願いだから、好きだと言って!!
「葵くんってさ、蓮くんとか雅さんと違うよね」
「そう?」
髪を乾かしながら、そんな会話をする。
絃ちゃんの後ろにいる僕は、絃ちゃんがどんな表情をしてるのか、全くわからないけれど。
「うん、蓮くんとか雅さんは冷たいけど……葵くんはいつも優しくて」
「そんなこと言われるなんて、嬉しいな」
「本当のことだよ?」
まだ乾かしている途中なのに、上半身を少し捻って、僕の方を見て微笑む絃ちゃん。
こんな可愛い笑顔を見せられて落ちない人なんて、いるんだろうか。
……ってこの家にいるんだよね。
はぁ。
僕って、自分で思っている以上に絃ちゃんのこと、溺愛してるかもしれない。