お願いだから、好きだと言って!!

「絃ちゃーん！」



だからといって無視するわけには行かず、また呼ばれてしまった私は、瞳からのひと押しもあって渋々席を立つ。



「えっと……私に何か」



「絃ちゃん、そんなかたくならないでよ！」



いやいやいや、私がせっかく他人のフリをしているのに！



葵くんは隠す気がないの！？



「ちょ、ちょっと向こうで話そ」



このままじゃ、バレるのも時間の問題だと、小声で囁いて人気のないところへと連れ出した。



「あ、葵くんっ！突然私の教室まで来るなんて……同居のことバレたらどうするの？」



私はこんなにも焦っているのに、葵くんは平然といつもの笑顔で笑っている。



「別に僕はバレてもいいと思ってるけど……だって、その方が絃ちゃんといつも一緒に居られるでしょ？」



「なっ……」



そうやって、葵くんは恥ずかしいことをいとも簡単に口にする。



なんでそんなに余裕そうなの？