都会人の付き合い方
そう気付くには、少しの時間が必要だった。
動揺する間もなく、土砂降りの雨の日みたいな泣き声がすぐ近くで聞こえた。
普段の立ち居振る舞いからは想像し難い、悲痛な叫びだった。
駄々っ子のように、何かを訴えかけているようでもあった。でも、本物の駄々っ子みたいに、言葉で何かをねだるわけではない。
行動で簡単に察せられた。
「………っ」
麻那美の腕の力がどんどん強くなっていく。今麻那美がねだる物は、僕という支えなんだ。

馬鹿でも気付く信号。
それまで気付かなかった僕は、救いようのない馬鹿…そう定義付けておこう。

だけど…。
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