女人天国
「なんか泣いてましたけど大丈夫なんですかね?」

由良が遠慮がちに尋ねた。

「…その様子だと全部聞いてた?」

「全部じゃないです!!」

両手と顔を左右に振って弁解を図ろうとするが、逆に墓穴を掘った。

「別に構わないよ。どこら辺から聞いてた?」

「う…生徒会長が告白した辺りからです」

「そう。で…何か言いたげだけど?」

ゆうきは笑顔で由良の頬をつついた。

「あんまり首を突っ込まない方がいいかなって思ったんですけど…」

「由良の言うことがおせっかいなんて思わないよ」
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