君はガーディアン ―敬語男子と♪ドキドキ同居生活―
ドキドキ♪同居生活
夢を見た。
子供の頃の夢。
まだ小さな私を、あやすようにして手を引いてくれる男の子。
いつの記憶だろう。目線が低くて、本当に小さな頃のことなのだろうな、
そう、思いながら目が覚めた。
見覚えの無い天井。
布団は、前のアパートで私が使っていたもののようだけれど、寝かされている和室は知らない場所だった。ポケットに入れたままのスマホを取り出すと、まだ夜の八時にもなっていなかった。ほんの数十分、私は眠っていたようだ。
起きだすと、キッチンの整頓をしている征治さんが居た。周辺に礼門の姿は見当たらない。
「あ、あの……」
声をかけると、征治さんが立ち上がった。
「気が付かれましたか、よかった。……驚き、ましたよね」
恥ずかしそうに征治さんが言った。
「はい、あの、礼門は?」
「自分の部屋に戻りました、まだ、仕事があって……。若は大学生なんですが、すでに黄金川財閥の仕事もしているんです」
そうなのか。忙しい身でありながら、疎遠だった姉の為に、いったい何時間を費やしてくれたんだろう、そう思うと、少しだけ申し訳ない気持ちになった。
しかし、色々事情があるのも何となくわかったし、『聖獣』だという白虎から逃れる為に、色々我慢を強いられるのも致し方ない、とは思うけど、何でこの人と同居する必要があるんだろう。このマンションは結界が張ってあるんじゃないのか。
「私の事は、人形か何かだと思ってもらえれば」
……すみません、それは無理です。心の中で私は思った。こんな背の高い人形がうろついていたら、必ず視界に入るし、存在感はんぱないですから。
「もちろん、部屋は別々ですし」
いや、まあ、それはそうなんですけどね。
「あ、主寝室と、他にベッドルームと和室があります、どっちを使いますか? とりあえず、素子さんの荷物にあった布団を和室の方に敷かせてもらいましたけど、主寝室とベッドルームには、もう、ベッドの準備があるんです」
……なんだろう、『ベッドの準備』って言葉が、すっごく猥雑に聞こえるんだけど、大丈夫かな。私が気にし過ぎなのかな。
考え込んでいる私を連れて、征治さんは、いそいそと室内を案内してくれた。広いリビングダイニング。そして、バスルームが二つあった。
子供の頃の夢。
まだ小さな私を、あやすようにして手を引いてくれる男の子。
いつの記憶だろう。目線が低くて、本当に小さな頃のことなのだろうな、
そう、思いながら目が覚めた。
見覚えの無い天井。
布団は、前のアパートで私が使っていたもののようだけれど、寝かされている和室は知らない場所だった。ポケットに入れたままのスマホを取り出すと、まだ夜の八時にもなっていなかった。ほんの数十分、私は眠っていたようだ。
起きだすと、キッチンの整頓をしている征治さんが居た。周辺に礼門の姿は見当たらない。
「あ、あの……」
声をかけると、征治さんが立ち上がった。
「気が付かれましたか、よかった。……驚き、ましたよね」
恥ずかしそうに征治さんが言った。
「はい、あの、礼門は?」
「自分の部屋に戻りました、まだ、仕事があって……。若は大学生なんですが、すでに黄金川財閥の仕事もしているんです」
そうなのか。忙しい身でありながら、疎遠だった姉の為に、いったい何時間を費やしてくれたんだろう、そう思うと、少しだけ申し訳ない気持ちになった。
しかし、色々事情があるのも何となくわかったし、『聖獣』だという白虎から逃れる為に、色々我慢を強いられるのも致し方ない、とは思うけど、何でこの人と同居する必要があるんだろう。このマンションは結界が張ってあるんじゃないのか。
「私の事は、人形か何かだと思ってもらえれば」
……すみません、それは無理です。心の中で私は思った。こんな背の高い人形がうろついていたら、必ず視界に入るし、存在感はんぱないですから。
「もちろん、部屋は別々ですし」
いや、まあ、それはそうなんですけどね。
「あ、主寝室と、他にベッドルームと和室があります、どっちを使いますか? とりあえず、素子さんの荷物にあった布団を和室の方に敷かせてもらいましたけど、主寝室とベッドルームには、もう、ベッドの準備があるんです」
……なんだろう、『ベッドの準備』って言葉が、すっごく猥雑に聞こえるんだけど、大丈夫かな。私が気にし過ぎなのかな。
考え込んでいる私を連れて、征治さんは、いそいそと室内を案内してくれた。広いリビングダイニング。そして、バスルームが二つあった。