君はガーディアン ―敬語男子と♪ドキドキ同居生活―
「私に、何かできるんでしょうか、征治さんも、礼門も、お父さんから聖獣を継いだとおっしゃっていました、そうであれば、私も、母から継ぐべきではないのでしょうか? その、白虎を」

「……聡明な方ですね、貴女は」

 そう言うと、征治さんはココアを一口飲んで、息をついた。

「守護聖獣管理部門の人間としては、あなたに、奥様に替わって、白虎の主になっていただきたいと思っています」

 征治さんは、私から視線をそらしながらそう言った後、私に向き直り、まっすぐに瞳を見て、続けた。

「……ですが、幼かった素子ちゃんを知っている自分としては、守護聖獣とは無関係でいて欲しい、と、思ってしまうんですよ」

 そう言う征治さんの瞳は、なんだか悲しそうにも見えた。
< 20 / 68 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop