君はガーディアン ―敬語男子と♪ドキドキ同居生活―
 津九音市内にあるつくねラインの駅は、終点の津九音駅と、あと三つ。研究都市駅、万博パーク駅と、ゆかりの駅。

「ゆかりの駅は、都市計画に基づいた住宅地の為にできた駅ですが、万博パークは地域住民の請願によってできています、これは私の感覚ですが、終点の津九音駅か、万博パーク駅の可能性が高いように思います」

 これは征治さんの意見。

「乗降人数で考えれば、津九音駅、研究都市駅、ゆかりの駅、万博パーク駅の順だけどね」

 ……と、礼門。

「……一箇所ずつ、周るしかなさそうですね」

 私が言うと、征治さんが心配そうに言った。

「そうですね、車までは結界の力が働きますが、車を出れば、その限りではありません、奥様の遺骨と一緒であれば、白虎は現れるかとは思いますが、『印』がでなければ……」

「結界のある車まで退避して、次の場所へ、って事ですね」

「……はい」

「僕と征治でできる限りサポートはするけど、『印』を見つける事ができるのは姉さんだけだから」

 と、礼門が言った。

「……そして、どっちにしても、私は、仕事を辞退するしかなさそうだね」

 先生の伝手で就職できた職場だけれど、万が一の事を考えると、かえって無責任な事になりそうだ。
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