君はガーディアン ―敬語男子と♪ドキドキ同居生活―
アルバイトで行った住宅展示場のイベントで、やっていたヒーローショーの人が、こんなかっこうをしていた、ような気がする。
「素子さん! しっかりして下さい! あなた、食われるところだったんですよ?!」
この声は……征治……さん?
この、青い人が?
気を失っちゃダメだ!征治さんに抱きかかえられながら、
私はカッと目を開いて、征治さんを見た。
「白虎……は」
「素子さん、立てますか?」
私がうなずくと、征治さんは私をおろしてくれた。
同じホーム、くだり方面の端に、獣の姿に戻った白虎がいた。
色形は、初めて見た時を大きく変わり無いように見えるけれど、だいぶ大きくなっている気がする。
よろけそうになる私を征治さんが支えてくれた。
「あれは……もしかして、魔獣化、した?」
「まだです、まだ、間に合います、素子さん、もう一度、行けますか?」
征治さんに言われながら、私はすくんでいた足でもう一度ふんばった。
「……行けます」
そうだった、私は、白虎に勝つ。勝って、征治さんに言わないと。
もう、逃げない。
お母さんが私をどう思っていたか、もう確かめる事はできない。
だったらせめて、今、私の事を待ってくれている、礼門の為に、
征治さんに思いを伝える為に、私は立ち向かわなくてはいけないんだ。
私は、手首につけたウェアラブルデバイスに触れた。
『これは、今はまだブランク状態、何も入っていない、これに、白虎を封印する、特別な修行は必要無い、勝ちたいという強い意志が、白虎を捕らえる』
そう言って、礼門が渡してくれたものだ。
私は、白虎に向かって一歩踏み出した。
背後に、征治さんがいる、そう思うだけで、自分が強くなれるような気がした。
白虎は、私に襲いかかるわけでなく、ただ真っ直ぐに私に向き合った。
お母さんが、召喚したという、聖なる獣。
本来なら、街を、津九音市を守るための存在だったはず。
今、ここで、魔獣化してしまう事は、白虎だって、多分本意では無いはずなんだ。
「私ね、ずっと、お母さんが笑ってくれるから、いい子だって言ってくれるから、がんばってきたような気がする、でも、それは、違うんだね、お母さんは、私が『がんばったから』褒めてくれていたわけじゃなかったんだ」
「素子さん! しっかりして下さい! あなた、食われるところだったんですよ?!」
この声は……征治……さん?
この、青い人が?
気を失っちゃダメだ!征治さんに抱きかかえられながら、
私はカッと目を開いて、征治さんを見た。
「白虎……は」
「素子さん、立てますか?」
私がうなずくと、征治さんは私をおろしてくれた。
同じホーム、くだり方面の端に、獣の姿に戻った白虎がいた。
色形は、初めて見た時を大きく変わり無いように見えるけれど、だいぶ大きくなっている気がする。
よろけそうになる私を征治さんが支えてくれた。
「あれは……もしかして、魔獣化、した?」
「まだです、まだ、間に合います、素子さん、もう一度、行けますか?」
征治さんに言われながら、私はすくんでいた足でもう一度ふんばった。
「……行けます」
そうだった、私は、白虎に勝つ。勝って、征治さんに言わないと。
もう、逃げない。
お母さんが私をどう思っていたか、もう確かめる事はできない。
だったらせめて、今、私の事を待ってくれている、礼門の為に、
征治さんに思いを伝える為に、私は立ち向かわなくてはいけないんだ。
私は、手首につけたウェアラブルデバイスに触れた。
『これは、今はまだブランク状態、何も入っていない、これに、白虎を封印する、特別な修行は必要無い、勝ちたいという強い意志が、白虎を捕らえる』
そう言って、礼門が渡してくれたものだ。
私は、白虎に向かって一歩踏み出した。
背後に、征治さんがいる、そう思うだけで、自分が強くなれるような気がした。
白虎は、私に襲いかかるわけでなく、ただ真っ直ぐに私に向き合った。
お母さんが、召喚したという、聖なる獣。
本来なら、街を、津九音市を守るための存在だったはず。
今、ここで、魔獣化してしまう事は、白虎だって、多分本意では無いはずなんだ。
「私ね、ずっと、お母さんが笑ってくれるから、いい子だって言ってくれるから、がんばってきたような気がする、でも、それは、違うんだね、お母さんは、私が『がんばったから』褒めてくれていたわけじゃなかったんだ」