君はガーディアン ―敬語男子と♪ドキドキ同居生活―
「ズバリ、これは父さんの趣味だから」

 礼門自身も腕につけているウェアラブルデバイスを指で示しながら、礼門が言った。

「隠すわけじゃなかったんだけど……、わざわざ言う必要もないかと思って」

「そういうのって、意識的な隠蔽って言うんじゃないの?」

「でも、本質的な部分は変わらないんだよ? むしろ、僕や征治は喜んでるくらいで」

「……そういう言い方をするって事は、嫌がっている人もいるんだね」

「うー……、紹介していない二人のうちの一人、女子の方が……」

 女子、と、聞いて、私の心臓がキリリと痛んだ。
 女子スタッフが、いるんだ、私の他にも。

 漠然と、五人、と、指摘したものの、私以外は全員男性だと勝手に思い込んでいた。けれど、確か、先代、母と父の代も、男性三人の女性二人だと聞いていたではないか。

「……姉さん?」

 私の顔色をうかがうように征治が尋ねた。

「もしかして、私も、征治さんみたく……」

「あ、もしかしてピンクの方が良かった?」

「若、今それを言っては……」

 征治さんのフォローも遅く、私は愕然としてテーブルに顔をつっぷしたのだった。
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