君はガーディアン ―敬語男子と♪ドキドキ同居生活―
「多くは、事故や未解決事件として処理されたり、場合によっては、報道されない事すらあります」
「全部が全部、防ぐ事はできないけど、できる限り件数を減らす、それが、守護聖獣管理部門。……そして、一番大きな役割は、そもそも聖獣を魔獣化させない、というのがあるんだ」
「でも、それっておかしくない? だったらそもそも聖獣を呼ばなければいいんじゃないの?」
「呼ばなくても、魔獣化するって言っても?」
「……どういう事?」
「人の集まる場所は、自然、場に、空気、というか、歪みのようなものができる、制御しないで自然のままにしておく事で、蓄積された負のエネルギーは、時々ガス抜きが必要になる、もう都市として形を成してしまった以上、その維持には、聖獣が必要なんだ」
礼門が言った。
「自然のあるがままにしておくと、反動が大きいんです、だから、形ある獣とし、属性を与え、その力を振るうことで発散させる必要があるんです」
と、征治さん。
「……だから、主の気持ちをこめやすい形なら、本当は何でもいいんだよ、武器の形をとったってよかったんだけど……まあ、目に見えると銃刀法違反になりかねないけどね」
「そのものずばり、獣の形のまま、という意見もありました」
つまりは、守護聖獣の力を制御する方法はいくつかあるものの、津九音市においては、先代管理者の『趣味』で『変身』を必要としているって事か……。
うーん、納得できたような、できないような。
「……お母さん、『ヘンシン』が嫌で、家を出たって事はないよね?」
「いや、それは無いはず! だって、母さん、主の仕事そのものは放棄していなかったんだから」
「……それってつまり、母さんもしてたって事?」
「って、父さん言ってた! だって、写真もあるし」
礼門の言葉に、私は絶句した。お母さんは、父さんと会ってはいたんだ。仕事の繋がりではあったけど。じゃあ、本当に、どうして、私には、親族が居ない、一人で生きろと強調したんだろう。
何とも言えない疎外感を感じて、私は沈黙してしまった。
「全部が全部、防ぐ事はできないけど、できる限り件数を減らす、それが、守護聖獣管理部門。……そして、一番大きな役割は、そもそも聖獣を魔獣化させない、というのがあるんだ」
「でも、それっておかしくない? だったらそもそも聖獣を呼ばなければいいんじゃないの?」
「呼ばなくても、魔獣化するって言っても?」
「……どういう事?」
「人の集まる場所は、自然、場に、空気、というか、歪みのようなものができる、制御しないで自然のままにしておく事で、蓄積された負のエネルギーは、時々ガス抜きが必要になる、もう都市として形を成してしまった以上、その維持には、聖獣が必要なんだ」
礼門が言った。
「自然のあるがままにしておくと、反動が大きいんです、だから、形ある獣とし、属性を与え、その力を振るうことで発散させる必要があるんです」
と、征治さん。
「……だから、主の気持ちをこめやすい形なら、本当は何でもいいんだよ、武器の形をとったってよかったんだけど……まあ、目に見えると銃刀法違反になりかねないけどね」
「そのものずばり、獣の形のまま、という意見もありました」
つまりは、守護聖獣の力を制御する方法はいくつかあるものの、津九音市においては、先代管理者の『趣味』で『変身』を必要としているって事か……。
うーん、納得できたような、できないような。
「……お母さん、『ヘンシン』が嫌で、家を出たって事はないよね?」
「いや、それは無いはず! だって、母さん、主の仕事そのものは放棄していなかったんだから」
「……それってつまり、母さんもしてたって事?」
「って、父さん言ってた! だって、写真もあるし」
礼門の言葉に、私は絶句した。お母さんは、父さんと会ってはいたんだ。仕事の繋がりではあったけど。じゃあ、本当に、どうして、私には、親族が居ない、一人で生きろと強調したんだろう。
何とも言えない疎外感を感じて、私は沈黙してしまった。