【長編】戦(イクサ)林羅山篇
敦盛
羅山は弟の信澄と一緒に長嘯子
の少ない情報から推測して問答に
役立ちそうな書物を絞り記憶して
いった。すると羅山のまだ幼い
頃、木下家定の子、辰之助として
豊臣秀吉に覚えさせられた織田信
長が好んでいた謡曲「幸若舞」の
「敦盛」が脳裏に蘇ってきた。
思えば此の世は 常の住処にあ
らず
草の葉におく白露 水に宿る月
より猶あやし
金谷に花を詠じ、栄華はさきを
立って無常の風にさそはるる
南楼の月を弄ぶ輩も、月に先
だって有為の雲に隠れり
人間五十年、下天の中をくらぶ
れば夢幻のごとくなり
一度生を享け、滅せぬ者のある
べきか、滅せぬ者のあるべきか
人間五十年、下天の中をくらぶ
れば夢幻のごとくなり
一度生を享け、滅せぬ者のある
べきか、滅せぬ者のあるべきか
の少ない情報から推測して問答に
役立ちそうな書物を絞り記憶して
いった。すると羅山のまだ幼い
頃、木下家定の子、辰之助として
豊臣秀吉に覚えさせられた織田信
長が好んでいた謡曲「幸若舞」の
「敦盛」が脳裏に蘇ってきた。
思えば此の世は 常の住処にあ
らず
草の葉におく白露 水に宿る月
より猶あやし
金谷に花を詠じ、栄華はさきを
立って無常の風にさそはるる
南楼の月を弄ぶ輩も、月に先
だって有為の雲に隠れり
人間五十年、下天の中をくらぶ
れば夢幻のごとくなり
一度生を享け、滅せぬ者のある
べきか、滅せぬ者のあるべきか
人間五十年、下天の中をくらぶ
れば夢幻のごとくなり
一度生を享け、滅せぬ者のある
べきか、滅せぬ者のあるべきか