【長編】戦(イクサ)林羅山篇
亀の病
承応三年(一六五四年)
四月
春徳に待望の長男、勝澄が産ま
れたが、しばらくして妻、吉が亡
くなり、春徳の子、一男二女は道
春が引取り亀が養育することに
なった。
九月に後光明天皇が病のため二
十二歳の若さで身まかられた。病
にかかった時、この年に産まれた
ばかりの弟、識仁親王を養子に迎
えていたが、このような事態にな
るとは想像していなかった。そこ
で識仁親王が成長するまでの間、
やはり弟の花町宮が天皇に即位す
ることになった。
花町宮は十一月に即位し後西天
皇となった。
承応四年(一六五五年)
亀が病に倒れ、春斎、春徳があ
らゆる手を尽くして看病した。ま
た、京から娘、振が子を連れて駆
けつけ、振の夫、荒川宗長、亀の
弟で宗長の父、宗竹も見舞いに駆
けつけた。
亀は気丈に振舞おうとしたが、
病状は思わしくなかった。
四月
春徳に待望の長男、勝澄が産ま
れたが、しばらくして妻、吉が亡
くなり、春徳の子、一男二女は道
春が引取り亀が養育することに
なった。
九月に後光明天皇が病のため二
十二歳の若さで身まかられた。病
にかかった時、この年に産まれた
ばかりの弟、識仁親王を養子に迎
えていたが、このような事態にな
るとは想像していなかった。そこ
で識仁親王が成長するまでの間、
やはり弟の花町宮が天皇に即位す
ることになった。
花町宮は十一月に即位し後西天
皇となった。
承応四年(一六五五年)
亀が病に倒れ、春斎、春徳があ
らゆる手を尽くして看病した。ま
た、京から娘、振が子を連れて駆
けつけ、振の夫、荒川宗長、亀の
弟で宗長の父、宗竹も見舞いに駆
けつけた。
亀は気丈に振舞おうとしたが、
病状は思わしくなかった。