大剣のエーテル

「うん、よかったよかった。ルタがノアちゃんと仲良くなったみたいで…」


「別に、仲良くなったわけじゃない。」



にっこりと笑って言ったランバートのに、ルタさんはバッサリと否定の言葉を口にする。

ランバートはどこか安心したように私を見つめ、そして続けた。


「じゃあ、ノアちゃんのことはルタに任せて、俺はイヴァンと一緒に警察署に行って王に連絡してくるよ。一派のこととか、人斬りのこととか……、この診療所の修繕費のこととかをね。」


さらりと告げられた修繕費の単語に身震いがする。

風が吹き込むほど割られた窓と荒らされた部屋は、以前の診察室など見る影もない。

その時、ルタさんが部屋を出て行こうとするランバート達に声をかけた。


「あんたら、外に行くついでにフェリを家まで送っていってあげて。…フェリ。オルガンは今度ね。」


その言葉に、フェリシアちゃんが、ぱっ!と顔を上げた。

だいぶ顔色が良くなった様子の彼女は、素直にルタさんの言葉に頷く。

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