大剣のエーテル
第3章警察署の監獄
*薔薇の戦闘狂
「わぁー!すごい…!」
ガタンゴトン、ガタンゴトン
窓の外を流れていく景色に目を輝かせる。
定期的に揺れる列車が心地いい。
「ノアちゃん、楽しい?」
「うん!」
子どものように頷いた後、はた、と気づく。
(…は、はしゃぎすぎた…!)
4人座席で私と向かい合うように座るランバートはにこにこしているが、私たちの隣にそれぞれ座る“保護者組”は、特に楽しそうにする様子もなく仏頂面をしている。
つい、私がうるさくしたせいで沈んでいるのかと思ったが、そうではないらしい。
「ノア。元気なのはいいが、列車の中では寝ておいた方がいいぞ。…きっと次の町に着いたら、“ひでーこと”になる。断言してやる。この予言は100パーセント当たる。」
「…言えてる。“あの男”に会ったら、絶対面倒なことになる。」
イヴァンさんに続いてルタまでもがぼそり、と呟いた。
(…“あの男”?)
「次の町にいるっていう、エーテルの団員さんのこと?」
私が尋ねると、ランバートがにっこりと笑いながら答えた。
「そうそう。喧嘩になったら敵なしの最強戦闘員だよ。男気があって、女の子にも人気があるんだ。」