大剣のエーテル
*エーテル集結
「…ここが、レガリアの本部…?」
大きくそびえ立つ塔の前に立った瞬間、その威圧感から、つい声が漏れた。
厳重な警備が敷かれた入り口でイヴァンさんがエーテルの団員証を提示し、中へと足を踏み入れる。
本部には至るところに警備装置が設置されていて、レガリアの所属隊員たちが、せかせかと業務に追われていた。
(すごく場違いな感じがして緊張する…。)
「おい。さっさとあの馬鹿見つけ出して、連れ帰るぞ。」
イヴァンさんの低い声に、ルタは「…面倒極まりない。」とため息をついた。
ルタがため息もつく気持ちもわかる。
本部の中は予想以上に広く、人1人探すのも容易ではないのだから。
(…ロルフさん、どこにいるんだろう。)
きょろきょろと辺りを見回したその時。
廊下の向こうからパタパタとこちらに駆け寄ってくる影が見えた。
まるで、赤い布に興奮させられた牛のように、すごい勢いで迫ってくる。
「おぉー!!エーテルのみなさんじゃないッスかーっ!お久しぶりッスーっ!!!!!」
廊下に響き渡る声に、鼓膜がキーンとなった。
白い制服を着た大柄の男性が、満面の笑みを浮かべて私たちの目の前で立ち止まる。
(だ、誰…?)