大剣のエーテル

彼の独特な雰囲気に、少し押され気味になりながら挨拶を交わす。

そんなハロルドさんに、イヴァンさんが低く尋ねた。


「おい、ハロルド。うちの“悪ガキ”見なかったか?さっきここに連行されてきたはずなんだが。」


「あっ!そういえば見たッス!ロルフの兄貴は取り調べ室に入っていったッスね!」


会話を交わすイヴァンさんとハロルドさんは、どこからどう見てもヤクザと舎弟にしか見えない。


(…っていうか、“悪ガキ”でロルフさんのことだと通じるんだな…)


せかせかした様子で過去を思い出している様子のハロルドさんにランバートが尋ねた。


「ロルフのいる部屋はどこにあるの?俺たち、あいつを迎えに来たんだけど。」


すると、ハロルドさんは顔をしかめて申し訳なさそうに口を開いた。


「あー…たぶん、今は面会すら出来ないッスね。ロルフの兄貴の取り調べをしてるのは、レガリアの本部長ッスから。」


(“レガリアの本部長”…?ずいぶんえらい肩書きの人に捕まってるんだな。)


私がそんなことを思っていると、ルタが「…まぁ、他でもないエーテルの取り調べだしね。」とため息をついた。

イヴァンさんも、ルタの言葉に納得したように「ちっ。」と舌打ちをする。


「…仕方ないな。あいつが部屋から出てくるのを待つしかねぇか。」


イヴァンさんの言葉にランバートが頷いた

次の瞬間だった。

< 141 / 369 >

この作品をシェア

pagetop