大剣のエーテル


(…ルタとロルフさんって仲悪いのかな…?)


再会した途端、喧嘩を始めた二人に目をぱちぱちさせていると、ランバートがふわりと私から離れた。

そして、喧嘩を仲裁するように二人の間に割って入る。


「二人とも、そこまでだよ。心の友とじゃれ合いたいだろうけど、ちょっとくらい我慢して。」


「「誰と誰が心の友だって?!」」


反撃に苦笑を浮かべるランバート。

ワインレッドの髪の青年は、そんな彼に笑みを見せる。


「よぉ、ランバート!久しぶりだな…!」


穏やかな眼差しは、どこか過去を懐かしんでいるようだ。

薔薇色の瞳を緩く細めた青年の言葉にランバートは答える。


「ロルフ。レガリアを殴ったって聞いたよ?手、痛かっただろ?…馬鹿だな。俺のことなんか、好きに言わせとけばいいのに…」


「何言ってんだよ。自分の悪友を貶されて、黙ってるわけにはいかねぇだろ。お前は、俺たちの団長だし。」


まっすぐなロルフさんの言葉に、ランバートは笑いながら困ったように眉を下げる。

その時。ふと、ロルフさんの薔薇色の瞳が私をとらえた。


「ん?嬢ちゃん、何でここに?まさか、俺を追いかけて来てくれたのか?」


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