大剣のエーテル



ドン、と、鈍器で殴られたような気がした。

一気に、現実に引き戻される。

理性が押し寄せ、急に冷水を浴びたかのように体の熱が消えていく。

ランバートは、見たこともないほど真剣な瞳をしていた。

雰囲気に呑まれたのは、私だけだったのだろうか。

目の前の彼は、普段の柔らかな表情とはまた別の、“団長の顔”をする。


「その先を聞いたら…俺は団長じゃいられなくなる。」


地の底に突き落とされたような感情が、予想していなかった彼の言葉によって引き上げられる。

彼が紡ぐ言葉は、激しく高ぶる感情を必死で押さえ込んでいるようで。

そこに垣間見えるのは、あられもない欲と熱。

ランバートは、もどかしげな表情を浮かべ、そして熱っぽく呟いた。


「その先を聞いてしまったら…俺はきっと、ノアちゃんしか見えなくなる。」


どくん!


彼の言葉に心臓が大きく音を立てた

その時だった。

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