大剣のエーテル
「…そうか…、その手があった…!」
(え?)
その声の主は、他でもないランバートだった。
彼は、さらり、とルタに尋ねる。
「ねぇ。ルタの氷の強度って、どれくらい?」
「?何、いきなり。」
「いいから。教えて?」
「…まぁ、象が踏んでも壊れないよ。」
一同がきょとん、と彼を見つめる中、ランバートはいつもの“イタズラを思いついた子ども”のような表情で、にこり、と、笑った。
保護者組が未来の悪夢を察して顔をしかめる。
「いーこと思いついた!最短のルートがあるよ。」
「…嫌な予感しかしねぇ…」
琥珀の瞳を細めたイヴァンさんは、低く唸った。
(…イヴァンさんの予感は当たるんだよね。)
エーテル達は、それぞれ複雑そうな顔をしてランバートを見つめていた。
当の本人は、にこやかにイチゴのジャムを塗ったトーストをかじっている。
…この日が、私たちの運命の大きな転機になろうとは
この時の私たちは誰も気がついていなかったのです。
第3章*終