大剣のエーテル
第4章粉雪の舞う世界
*鉱山のトロッコ
「おい。何だ、その“大荷物”は。まさか、また本じゃないだろうな?」
荷造りを終え、宿屋の前に集合した午前9時。
いつもの大剣とともに、異様に膨れ上がったサンタさんの袋のような荷物を担いだランバートに、イヴァンさんが声をかけた。
「あー。これは、昨日本部に寄った時に、ハロルドにくれるよう頼んでおいた荷物だよ。…だーいじょうぶ!心配しなくても、イヴァンに持たせたりしないから。」
イヴァンさんが“信用ならない”といった渋い顔でランバートを睨む。
私は、にこやかなランバートにこっそり尋ねた。
「それ、ぜんぶ本なの?」
彼が昨夜のことを気にしていないような態度をとるうちに、いつも通り話せるようになった私は、少しワクワクしながら彼の返事を待つ。
もし、本当に全て本なのだとしたら、読んでみたい。
ハロルドさんが用意したレガリア本部の書物なら、国の歴史の本とかなのだろうか?
すると、私の好奇心いっぱいの表情を見たランバートは、「んー…」と、苦笑しながら私に答えた。
「これは、ノアちゃんには、ちょっと“刺激”が強いかもなー。」
(えっ?)