大剣のエーテル
*フードの下の素顔
「ロルフーっ!もっかいやってーっ!」
「おぅ!…そぉらっ!!」
ベッドの上にボスン!と投げ飛ばされる子どもたち。
「ランバート!抱っこーっ!」
「うん、おいでー。」
きゃっきゃとはしゃぐ彼らはランバートとロルフをたいそう気に入ったらしい。
私は、そんな光景を見つめながら呟いた。
「2人とも人気者だね。ロルフなんて、最初は怖がられてたのに。仲良くなるのが早くて羨ましい。」
「精神年齢が同じくらいだからだろ。」
イヴァンさんが目を細めて答える。
容赦ない言葉に苦笑していると、ババ様が車椅子を押して私の隣へとやって来た。
「若いやつが来てくれると助かるな。私は、もうあんな遊び方はあの子らにしてやれない。」
どこか遠い目をしながらそう呟くババ様は、きゅ、っと自らの足にかけられている毛布を握った。
「…足を悪くされたのですか?」
躊躇しながらそう尋ねると、ババ様は私を見つめて答えた。
「あぁ。私はこれでも専門は“治癒魔法”なんじゃ。子どもたちのどんな傷や病気も治してきたんじゃが、歳には敵わなくてな。自らの治癒力が追いつかなくて、このザマじゃ。」