大剣のエーテル

図星を突かれ、目を見開くエーテル達。

すると、状況を察したようなババ様が車椅子をギシ…、と軋ませて険しい顔で口を開いた。


「悪いことは言わん。あの離島に近づくのはやめておけ。不用意に近づくと、“心が壊される”。」


「「「「「!!」」」」」


その場にいた全員が言葉を失った。

ババ様は低く語り出す。


「今、あの離島は幻夢石から放たれる“悪の気”で包まれておる。一派が操る影どもも、他の地域とは比べものにならんほどいるじゃろう。魔力の消費が激しいせいで、体が思うように動かせなくなるかもしれん。」


どくん…!


心臓が鈍く音を立てる。

エーテル達は、真剣な顔でババ様の言葉を聞いていた。

少しの沈黙の後、ランバートが口を開く。


「…忠告は、肝に命じます。ですが、俺たちは行かなくてはなりません。奴らのアジトを崩せば、一派の戦力を大幅に削ぐことが出来る。」


強い意志を感じる声に、ババ様がぴくり、と肩を揺らした。


「まさか、あんたが魔法陣を砕くつもりか?自身の魔法を使って…」


(…!)


沈黙は、肯定を意味していた。

他のエーテル達も、団長の意志を察していたのか何も言わない。


(…いることさえも危険な場所で魔力を大量に使うなんて、大丈夫なの…?体が持つかさえもギリギリなんじゃ…)


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