大剣のエーテル
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…ザッ、ザッ、ザッ
短く生えた雑草を踏み分け、島の中心部へと足を進めて行く。
鬱蒼とした森の木々。
幹がまるで悪魔の顔のように見えるのは、気色の悪い土地にいるせいなのだろうか。
「…!」
突然、先頭を歩いていたランバートが足を止めた。
森が開けた先に見えたのは、草ひとつない荒れ地。
加えて、そこにぽつん、と建てられた古びた洋館と、その前に立つ2つの影だった。
「お待ちしてましたよ、ランバートさん…!」
決戦に似つかわしくない嬉しそうな笑みを浮かべたのはかつての後輩、カイ。
そしてその隣にいるのは、敵意むき出しでフードの奥からこちらを睨みつけるフォーゼルだった。
(…早速“お出迎え”ってか。)
ルタとともに、こちらもギロリと睨み返すと、カイは、ふっ、と笑みを浮かべて口を開く。
「…2年前は隣にいてくれて心強かったですけど…やっぱり敵となると怖いですね、その眼光。」
(…“敵”、ね。)
小さく息を吐いたルタが、カイに尋ねる。
「ほかの一派の奴らはどうしたの?幹部はそこの少年だけじゃないでしょ?」
すると、“少年”と呼ばれたフォーゼルがわずかに眉を寄せてルタに答えた。
「…洋館の中には誰もいない。お前らの相手は俺たちで十分だということだ。」
「ふぅん。舐められたもんだね。」