大剣のエーテル


ブワッ!!!


衝撃波だけで、陣を組んでいた影の最前列が消しとばされる。

砕かれた幻夢石のカケラが砂となる瞬間。

俺は素早く二丁拳銃の引き金を引いた。


パァン!パァン!!


雷弾は何体もの影を同時に貫き、全てを霧のように消していく。

ルタの放つ吹雪も、影たちの心臓をピンポイントで凍らせ、そのまま容赦なく砕いた。

その時、フォーゼルがタン!と地面を蹴る。

一気に距離を縮めてきた奴は、瑠璃色の瞳を輝かせ、自身の影を魔力で大きく変形させた。


グワッ!!


闇色に染まった獣の爪が、俺とルタに襲いかかる。


「っ!」


ルタが素早く氷の盾を広げ、ガシャン!と爪を受け止めた。

爪で削られた氷の破片が、四方八方に散らばっていく。

破片を目で追ったその一瞬。

視界に、対峙するランバートとカイが映った。


ガキン!!


鋼の大剣と死神の鎌が音を立ててぶつかり合う。

双方、一歩も引けを取らない。


「よそ見すんな、イヴァン!」


ルタの声に、はっ!とした瞬間。

俺の右脇をフォーゼルの影が掠めた。

咄嗟に避け、距離を取る。


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