大剣のエーテル
*合わさる魔力
「雪がひどくなってきたようじゃな。」
窓の外を見ながらババ様がぽつり、と呟いた。
離島の上空は薄暗い雲に覆われている。
(…なんだか、あの島の周りだけ悪い空気で覆われているみたい。みんな無事だよね…?)
どくん、どくん、と嫌な胸騒ぎを感じたその時。
教会の外から、ふわりと大きな魔力の気配を感じた。
「ルタにぃだ!」
「かえってきたー!」
子どもたちの声に、私はばっ!と顔を上げた。
窓の外に見えるのは、ボロボロになったレガリアのパトカー。
(ランバート…!!)
私は、無意識のうちに駆け出していた。
聖堂へと続く扉を開け、絨毯の敷かれた教会の通路を走る。
…バン!
勢いよく開けた扉の向こうには、一面の銀世界と傷を負ったエーテルの団員たちが見えた。
「イヴァンさん!ルタ!!」
彼らの名を呼んで駆け寄ると、イヴァンさんがわずかに表情を緩ませる。
こちらを振り返ったイヴァンさんは、意識を失っている様子のカイさんを背負っていた。
ぞくり!と体が震える。
(…息、してないの…?)
すると、白衣を風になびかせたルタが私に声をかけた。
「カイは死んでないよ。お人好しのランバートが助けたからね。」
(…!)