大剣のエーテル
その時。
きゅ…、と俺の外套を彼女が掴んだ。
その瞳には、俺と同じ翡翠の光が宿っている。
(…!)
考えていることは、多分同じだ。
「ノアちゃん。」
俺は、彼女の名前を呼ぶ。
「魔力は俺がカバーする。だから、一緒に…」
彼女は、こくり、と頷いた。
2人は同時に幻夢石を見上げる。
(…きっと、やれる。ノアちゃんと2人なら…!)
幻夢石が、ブワッ!と闇の刃を飛ばした。
パァン!パァン!!
1つも外すことなく、刃を仕留めて浄化していくイヴァンの雷弾。
次の瞬間。
俺は彼女と同時に腕を突き出した。
パァァァッ!!
広がる翡翠の魔法陣。
2人の魔力が共鳴し、ゆっくりと合わさっていく。
渦のように放たれた特殊魔法は、幻夢石を一瞬のうちにのみ込んだ。
────パキ…ッ!
ひび割れる音が微かに響く。
2人の瞳が光った瞬間。
離島の空を翡翠の魔力が包んだ。
《ランバートside*終》