大剣のエーテル
保護者の聖夜
「野郎ども、集合。」
イヴァンから召集がかかったのは、12月のある昼下がりのことだった。
城のエーテル用応接室で、それぞれ過ごしていたルタとロルフが黒いスーツの彼の元へと集まる。
「何だよ、真剣な顔して。」
ロルフが、くかー、とあくびをしながらそう尋ねると、イヴァンは眉間にシワを寄せて口を開いた。
「もうすぐ、クリスマスだな。」
「「…。」」
突然の思いもよらない話題に、ルタとロルフは怪訝そうな顔をする。
「…それがどうしたの?俺たちはみんな非番もらったからお休みでしょ?」
ルタがそう尋ねると、イヴァンは険しい顔をしながら答えた。
「あぁ。“俺たちは”、な。」
「「?」」
イヴァンは、ドサ、とソファに腰を下ろしながら続ける。
「ランバートは、各地域のレガリアや本部の幹部たちとの会合がある。つまり、あいつはクリスマスにちゃっかり仕事を入れられているってわけだ。」
ロルフが「げー、最悪だな。」と呟く。
その時、ルタがイヴァンが言おうとしていることを察したように口を開いた。
「クリスマスに会合ってことは、クリスマスイブもその前も、全部準備で忙しいんじゃない?…ノアはその事知ってるの?」