大剣のエーテル
ランバートは、私の言葉にわずかに目を細めた。
何を言うつもりなのか身構えていると、彼は先程までの真剣な雰囲気をガラリと変えて、にっこり笑いながら私の手を握る。
(え?)
本を抱えて立ち上がったランバートにつられて草原から腰を上げる。
すると、ランバートは翡翠の瞳を真っ直ぐ私に向けながら穏やかに言った。
「ま、俺はそこまで身長が高いわけでも大男のように厳つくもないけど、いないよりはマシでしょ?はい問題解決!さ、いくよっ!」
「えっ!嘘でしょ!」
歩き出した彼に引かれるがままに足を踏み出す。
「待ってよ、ランバート。魔法で攻撃されたらどうするの?戦えないでしょ?!」
「だーいじょうぶ。攻撃魔法は避ければいいじゃん!体術には割と自信あるから。俺、脱いだら結構すごいんだよ?」
胸元へ手を伸ばし「見せてあげよっか?」と爆弾発言を口にしたランバートを必死に止める。
(もう…っ、この人は…!適当なんだか天然なんだか分からない…!)