ゆるふわ男子の族事情
その拍子にカランっと音を立ててナイフが地面に落ちる。
あ、そういえば握ったままだった。
……痛い。
「馬鹿!なんで、素手で握ったりするの!!!」
「避けたら夕ちゃんに当たるかもしれなかったでしょー?」
手を掴んだのは夕ちゃん。
泣きそうな顔で僕を睨んでいる。
あー、心配させてるな。と漠然と思う。
「だからって、夢乃くんが無茶をする必要はなかった!
こんな怪我してっ!!!」
「……ごめんね」
「部屋に戻って手当するよっ!!!」
「はぁい」