ゆるふわ男子の族事情



朱雀(すざく)

誰が順位なんて決めるのかは知らないけど、全国No.1の位置にいる、この暴走族の名前。
僕が幹部としてのんびりとしていられる場所。

馬鹿なことばっかりしてるけど、優しい人がたくさんいるから僕はここを守りたい。

だから、何もしないならそれでいいけど害を及ぼすなら容赦はしない。

夕ちゃんが何者か知っている今。
僕は彼女を警戒する必要があるんだ。



「夢乃くんは……どこまで知っているの?」

「どこまで?
そんなこと、聞くまでもないでしょ?」

「…………全部知ってるのね」

「別に僕は夕ちゃんに居てもらって困ることはないから、知ってても何もしないよ?」



正直、何の害もない相手のために動くのはめんどくさい。

無駄なことはしたくないからね。
僕自身、夕ちゃんが嫌いなわけじゃないから尚更。



「麻君は夕ちゃんにベタ惚れだもん。
わざわざそれを引き裂くことはしないよー」

「でも、夢乃くんは私がここにいることで何かが起こると懸念しているんでしょう?」

「そうだね。
ちゃんとけじめをつけてないなら尚更」

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