ゆるふわ男子の族事情
けじめをつけるのと、逃げるのとでは話が変わる。
裏でも表でも、ちゃんと今の問題に向き合うことが大切なのは変わらない。
夕ちゃんの問題は夕ちゃんが解決しないといけないものであって、僕が介入していいわけではないから。
僕個人の意見としては、向き合って欲しいっていうのが本音なんだけどなぁ。
全部知っている立場だから、複雑なところもあるんだけどね。
「夕ちゃんはどうしたいの?」
「え?」
「ここに居たいのか、居たくないのか。
向き合いたいのか、逃げたいのか」
「それは……」
「難しいだろうね。
ま、今はそれが精一杯の答えだろうから、見逃してあげるよー」
ふにゃりと笑って立ち上がり伸びをする。
その時、外の違和感に気がついた。
バイクの音が聞こえたんだ。
1…2……3………あれ?
麻君、海君、ちーちゃん、チカちゃん……普通なら4つのはず。
多すぎる。
どうして……?