ゆるふわ男子の族事情
ここまで弱いと……
「つまんねぇ」
小さく呟く。
弱いくせに数が多いから、めんどくさい。
下の子達も参加してくれているけど、減らない。
本当……どんな生命力してるわけ。
そう思った時……。
「こいつがどうなってもいいのか!!!」
やられ役が言うようなセリフが聞こえて、振り向く。
そこにはナイフを手にした男と、ナイフを突きつけられている夕ちゃん。
本来ならあの男くらいなら倒せるだろう夕ちゃんだけど、下の子たちの手前反撃ができないのだろう。
……すごくめんどくさい。
「女の子にナイフ向けるとか、卑怯だねぇー」
「うるせぇ!!」
「あんた、入ってきた時いなかったよね?
どこから入ってきたのー?」
「どこから?
朱雀ともあろう奴らが裏口の警護が甘かったぜ?」
ニヤリと笑う男。
裏口……か。
そういえば、そんなものあったなぁ。
あんまり使わないから存在を忘れてた。
今度、鍵をちゃんとしたものに変えてもらうように、ちーちゃんに言っとこ。