【短編集】先生×生徒〜しあわせStory〜




『失礼します…』

「おう、なんか久しぶりだな」

『先生怒ってる?』

「なんで?」

『ずっと授業サボってたから…』

「やっぱりサボりだったのかよ〜」


あれ、先生笑ってる

怒ってないのかな?

そう思った瞬間急に悲しそうな顔になり


「怒ってないけど…」


けど?


「心配だった。」

『え、心配?』

「俺嫌われたかと思って、もう話せないのかな…とか」


なんでそんなこと言うの

こないだ振られたのに、期待しちゃうじゃん




『ごめんなさい、でも先生の事嫌いになれる訳ないよ…だって私先生の事大好きなんだもんっ』


とうとう言ってしまった…

こないだ振られたばかりなのにね。



先生は俯いて何かを考えてる、また困らせちゃったかな?


『でも先生からしたら、私に好かれても困るだけだよね』

「…そうでもないぞ」


すると先生が立ち上がり近づいてきて、私を抱きしめた


『えっ…』

「俺もう、どうしていいか分かんない」

『先生…?』

「好きだ」

『…今、なんて』


先生は体を少し離し、真剣な顔で私の目を見て言う


「冴島のことが好きだ」

『嘘…』

「本当だよ、ずっと好きだった」



信じられない…


これは、夢?


「ああ…言っちゃった、俺どうしちゃったんだろ」


夢、じゃないの?


まだ信じられないよ…


『両想い…って、こと?』

「みたいだな」

先生は優しい笑顔を私に向ける



『嬉しいっ!!先生、大好きっ!!』


今度は私から先生に抱きついた


先生ももう一度ぎゅっと抱きしめ返してくれた後、私の身長に合わせて屈んでまた真剣な表情で



「大変かもしれないけど…もしお前に何かあったら俺が責任取る、絶対お前を卒業させる」


「だから…俺と付き合って下さい」



『…はいっ!よろしくお願いしますっ』



嬉しくて顔がにやけてしまう


そんな私に先生は優しい笑顔で

ちゅっ

とおでこにキスをした




「ちょっと、恥ずかしいよ…」

『照れてんの?…可愛いなあもう』


そう言うと今度は唇に触れるだけのキスをした



『せ、先生…』

「あ、ごめん…つい我慢できなくて」

『いや、初めてだったから…』

「まじ!?悪い、美鳥が可愛すぎて…」



先生、今美鳥って…


「俺、ちゅー以上のことは美鳥が卒業するまで我慢するから…ちゃんと卒業しろよ?」

『うんっ!私、頑張るっ』


こうして私たちの禁断の恋が始まった。



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