【短編集】先生×生徒〜しあわせStory〜
『先生は、私のこと…嫌い?』
「嫌いじゃない、だから困ってる」
え、どういうこと?
「…返事、卒業まで待てるか?」
『それってどう言う意味?』
「俺は教師だ、だから今俺の気持ちは言えないんだ」
『私のこと好きじゃないなら今断ればいいでしょ?私のこと…好き、ってこと?』
先生は一瞬黙ってしまったが、何かを諦めたかのような顔で口を開く
「…ああ」
『え…?』
自分で聞いたくせに、予想外な答えに頭が追いつかない
「なぜか毎日お前の事考えちゃうんだ、でもそれは担任だからとかじゃなくて…森山のことが好き、だから」
これって今現実世界に起きてること?
「先生…それ本当?」
『…ああ、何度も言わせんなよ』
先生は少し照れている
そんな先生を見て私は…
『先生、私嬉しいっ!夢みたい!』
そう言いながら椅子から立ち上がり、後ろから先生に抱きついた
「うわっ、おい」
すると先生は我に返ったかのように焦って私を遠ざけた
と思ったらまた頭をかかえ
「あー、ごめん… どうしよ、お前まだ2年なのに」
『…卒業まで待てないよ』
「でも、バレたら大変だぞ」
『バレないようにする!先生には迷惑かけないから!』
「いや、そうじゃなくて。お前にはちゃんと卒業してもらいたいんだよ」
先生…
『もう先生大好きっ!!』
先生の言葉が嬉しくて、もう一回抱きつく
「あー!!もう分かったからひっつくな!」
『先生、照れてる?』
「照れてねーよ、ばか」
照れてるじゃん
先生は私から遠ざかるためにもう一つ奥の席に座りなおす
「俺と付き合うってことは普通に出かけたりも出来ないし、なかなか会えない時だってある。それでいいのか?」
『うん!いいの!先生がいてくれればそれでいいっ』
「分かった…何かあったら俺が責任とるから安心しろ」
『先生、ありがとう!大好きっ』
こうして私と先生は付き合うことになった。