【短編集】先生×生徒〜しあわせStory〜




担任からは説教と言うより進路指導だったが、とにかく話が長い。


1つ1つの授業がテストに影響するだとか


社会に出たらどうのこうのだとか


当たり前のことばかりを30分にも渡って聞かされた。



「冴島、明日からは気をつけろよ」

『はい、すみませんでした」


私は先生にさようならを言うと真っ先にトイレに向かった。



髪型チェックをして、リップを塗って早瀬先生の元へ向かう



どきどきどきどき…




〈コンコン〉


「どうぞー」

『失礼します』

平常心、平常心



「おう、冴島ずいぶん遅かったな」

『実は担任に呼び出されてて…ごめんなさい』

「何か悪いことでもしたのか?」

『いや、うちの担任話が長くて』

「あー、確かに長そうだな」


そう言って笑う先生が凄くカッコいい…



「冴島、大人しそうに見えて実は問題児なのかと思ったよ」

『ち、違います…良い子です』


ああ私何言ってるんだ。



「冴島って面白いな」

いたずらっ子のように笑う先生を見て余計胸が高鳴ってしまう。



私は先生が座っていた椅子に座らされ


「これが日誌なんだけど…」


そう言って私の後ろから、机にある日誌をめくりながら書き方を説明する先生


近いよ、先生…





「冴島、聞いてる?」

『え…あ、はい!』

「顔赤いけど、具合悪い?」



そう言って先生は私のおでこを触る


「熱はなさそうだけど」

『だ、大丈夫です!』


私は慌てて顔をそらした
そんなことされたらもっと赤くなっちゃうじゃん



「遅くなっちゃったし家まで送るよ」

『え!いや、そんな…1人で帰れます!』

「でも心配だしなあ、俺と帰るの嫌か?」

『えっ、嫌じゃないです!!』


急な質問に勢いよく答えてしまい、また先生に笑われた。


うぅ、また絶対変な奴だと思われた…




「じゃあ先に玄関で待っててくれるか?」



私は先生に家まで送ってもらう事になった。
心臓もつかな…



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