君の秘密を聞かせてよ。
それからというもの、南くんは毎日毎時間「教科書見して」と言って机をくっつけてくる。





私はそれを断れるはずもなく、ただ毎回「うん」と言うだけ。
良いんだけどね?見せるのは。










なんだけど、、、。ほらまただ。


クラスの女の子の視線が痛い、、、。
南くんはカッコよくて、頭もいいからモテるし、そんな人に毎度教科書を見せたりなんてしていたら反感を買うのも当然だろう。







「み、南くん」


「なに」


「あ、あの。何で毎回私なの?ほら反対側の隣の子だっていいじゃない」









反対側の子は、クラスの中心的女子の香川さんだ。
高く結んだポニーテールが良く似合う可愛い女の子。


そういうこの方が南くんも良いんじゃないのかな?








「別にいいだろ。お前がいい」








私がいい?なんで、、、、。
結局その答えには辿り付けず、授業は終わってしまった。










_______






「な、なんて?」


「だから!南くんって沙羅が好きなんじゃないの?」


「へぇ!?」







昼休みに由衣とお弁当を食べていると、とんでもないことを言われる。


私が授業中のことを話したらこんな風に言うんだもん。
そんなのあるはずないし、会ったばっかだし。









「大体、沙羅自覚ないでしょ?」


「何が?」


「沙羅って結構モテてるんだよ?可愛いし、頭いいし。この前だって告白されてたじゃん!」


「も、モテてるわけないよ!私なんて地味だし暗いし」


「まーたそうやってネガティブになる〜。もっと自信もっていいんだよ」









由衣はそう言ってくれるけど、ほんとに私は地味で暗くて、内気だし、クラスでは隅にいるような人だから、南くんみたいな人に好かれるなんてことはないんだけどなぁ、、、。



でもそう話している由衣は楽しそうで、見てるとほっこりする。
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