2度目のFirst Love
頭上からため息が聞こえて来た。


お礼も迷惑だったかな……。



「水飲みたい」

「……え?」

「そこの自販機で水買ってよ」

「あ、はい!」



急いで水を買って男の子に渡した。


すると何故か笑われてしまった。


その笑顔があまりにも優しくて見惚れてしまった。



「背、高いね」

「君も女の子にしては高いよね」



そんな私が見上げなきゃいけないんだから、180はあるんだと思う。



「もしかして急いでた!? なんか変な事に巻き込んじゃってごめんなさい!!」

「急いでたらこんなとこで水なんて飲んでないよ」



あ、うん、そうだよね。



「さっきは本当にありがとうございました。 助かりました」

「たまたま側に居ただけだし気にしなくていいよ。 あ、俺は秋生(しゅうせい)」

「え?」

「こんな機会滅多にないし、名前聞いてもいい?」

「あ、うん! 私は心!」



秋生は驚いた顔をした。


つぎは困ったような顔をされて、どんな顔をすればいいか分からなかった。



「珍しい名前だよね」

「秋生って名前の方が珍しいよ」

「ははっ、それもそうか」



整った顔してる。


背が高くて美形で、優しくて、この人モテるだろうな。





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