2度目のFirst Love
バイトが終わって駅に向かった。


今日はなんだかすごく疲れた気がして一駅分歩く元気はなかった。



「心ちゃん!」



駅に着くと突然声を掛けられた。


声のした方を見ると、胡桃ちゃんがいた。


……なんで?



「突然ごめんね? ちょっと話したかったんだ」

「話って……?」

「少し時間ある?」

「……うん」



駅の中のカフェに二人で入った。


ソワソワしてしまう。


話って何だろう。


てか友達と帰ったんじゃなかったの?


急に喉が乾く。


手元にある水を飲んだ。



「秋生の事なんだけど……」

「あ、うん……」



胡桃ちゃんの口から秋生の名前を聞くと胸が痛くなる。


針で刺されてるみたいな……チクチクする。



「ただの友達っていうのは知ってるんだけど、必要以上に仲良くしないでほしいんだよね」

「必要以上って……何?」

「この前みたいに二人で会ったりとか?」



そんな事、どうしてこの子に言われなきゃいけないの?



「貴女には関係ないよね? 彼女じゃないんでしょ?」

「あはは」



突然笑われてびっくりした。





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