言えない恋
Sousuke
倉岡の家から出て車に乗り込む
俺の存在って世間にはどう見られているのか‥
そんなの昔から分かってる
普通じゃないことぐらい理解できてるつもりだ
だけど
恋愛については別
誰と付き合おうが、堂々としていたいっていうのが俺の本音で、それを邪魔するヤツも脅かすヤツも好かねぇ
芸能人だろうが何だろうが、俺は俺
人を好きになることに遠慮なんてしていられない
けどまぁ倉岡の気持ちは伝わったよ
そういうの素直に言えない性格だからさ、きつい言葉になったかもしれないけど、嬉しかった
約束通り、仕事も力抜かねぇし
何があっても逃げねぇよ。
「壮介?」
「ん?」
「大丈夫‥?」
「‥なにが?」
「ボーッとしてるから…」
「…‥あぁ」
さっきからエンジンもつけないで考えてた俺
ボーッとしすぎたな‥
今日の朝の芽衣状態になってしまった
「私は大丈夫だよ…、壮介に迷惑かけたりしないし、わがままとか言わないもん。だから仕事を一番に頑張ってね」
別に迷惑なんて気にしてねぇよ
自由にしたい、って言ったろ?
「気にしすぎ。あんま深く考えんなよ」
「…‥うん」