言えない恋
ほんと…嫌になるな…
なんでも嘘を流しては大袈裟にしやがって
こうやって世間に誤解されて迷惑してる気持ち考えろよな‥まったく
「じゃあ今はいないんですね」
しつこいぞ、こいつ
「‥まぁ」
仕事しか興味ないから
何回も言うけど、恋なんてしてる暇ないし、その時間を睡眠に使いたいくらいだね
そんなことを考えながらも目線に映ったのは、あの女
またお代わりかよ‥
一気かよ‥
もう一杯‥?!
いや、明らかに飲み過ぎだろ
足元がグラついてるのを見て俺は立ち上がった
「おい‥もう止めとけ」
無意識にその女の腕を掴み、そう言っていた
俺の顔を見るなり、女は真っ赤にして
「あ‥ごめんなさい///」
って。
謝られても‥
春の女が落ちたグラスを拾って言った
「芽衣…、らしくないよ?」
は…?
普段から飲むヤツじゃないの?
「そう…かな」
「そうだよ。もう帰る?」
「え…でも春くんが‥」
春の姿がない
時間的にもそろそろ終わりだろ
「送ろうか?」
また…無意識だった