言えない恋





「余計なこと言うな」



「ホントじゃん」





あ…



"女友達なんて連れてくるの初めてだから"




ほんとに?!




私が初めてってこと?




今までに成田壮介は女友達がいなかった、ってことだよね‥




いや、いたかもしれないけど、倉岡さんには知らせなかったんだよね





なんだか…嬉しい///




っていうか、嬉しいなんか通り越して頂点にきてますから!!!




よ〜く考えれば…―




成田壮介だよ??



一緒の車に乗ってんだよ??




あの超有名人と話しできてるし

同じ空気吸ってるし





私、チョー幸せじゃん!!!





「ここだよね」


「あ、はい!! ありがとうございました」




マンションに着くと素早く車から降り、挨拶をした




あ〜‥


夢が覚める〜





「名前、何て言うの?」




倉岡さんが運転席から顔を乗り出し聞いてきた




「へ? あ‥黒崎芽衣です。」



「オッケー。芽衣ちゃん、飲み過ぎは良くないよ。またね」




「あ、はい!! すいません。 さようなら‥」





成田壮介‥



一言も話さない




車が進みだし、私は成田壮介を見た




ドキ‥―



目があった。



そして、小さく頷く程度の礼。




返されたのは、うっすらの笑顔だった





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