言えない恋
「お前は男にもモテんだな」
「うるせぇ。で、追加って?」
「あぁ、18時から二時間の生放送に急遽出演決定。二時間番組だけど、壮介が出るのは30分くらいだから平気だろ」
「番宣?」
「うん」
はぁ〜‥
仕方ねぇよな
「了解」
「よし。まだ時間あるから、ゆっくりしてろよ。俺は今から局に行って打ち合わせだから」
「はーい」
特別に用意された楽屋で一人か‥
寝るか‥。
「なぁ」
‥?!
「壮介が芸能界に入ったキッカケってなに?」
ドアの隙間から喋るのは、倉岡だった
「驚かすなよ!!」
「わりぃ(笑) いや、携帯ずっと鳴ってたから教えとこうとおもって」
「ったく‥」
「ところで、まじでなに? ここに入ったキッカケ」
「うるせぇよ。早くいけ」
「ケチだな、お前も〜。まぁ後で迎えに来るから」
「はいはい」
カバンから携帯を取り出す
半端ない数の着信
…ほとんどが春かよ‥
あいつは俺が暇だと思ってんのか?
不在着信を消し、春に電話しようとした時、ある名前で俺の手は止まった
pm 13:37
不在着信
……町田 綾 (まちだ あや)