言えない恋






綾からの連絡は何年ぶり




固まるのも無理ない




なにか特別な用事か?



旦那の浮気?


離婚?



俺に相談するつもりか…?




…なわけねぇよな





画面にはずっと"綾"の文字



今更、なにを話すんだよ‥



もう一回掛かってくるのを待つか




携帯を閉じ、タバコを手にする



〜♪〜♪〜♪〜




「うぉ‥」




綾…‥?




着信中 : 春





「春かよ…」




正直ホッとした




綾だったら、なんて話そうか…




俺らしくねぇけど、綾には弱いかもしれない





「もしもし」


『もし〜?壮介?』



ハイテンションだな…



「どした?」



『ずっと掛けてんのにさ、拒否ってんの?俺のこと〜』




ダラダラ話してんじゃねぇよ



用件を言え、用件を。




「仕事中だったんだよ。で、なに?」



『あ、そっか!ごめんごめん。で、今日晩の9時から飲みするんだけどさ、来ない?』




「飲み?」


『そう。壮介が主役だから、来てくれないとダメなんだわ』



「俺?!」



なんで…俺?!





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