言えない恋





『ごめん…会いたいけど、もうすぐ旦那が帰ってくるし、子供も寝てるから…行けないよ‥』




…こども?



そんなの聞いてねぇぞ



「子供いるんだ…」



『え…?』



「いや、あぁ悪いな急に。こっちこそごめん、またな」



『え…壮ちゃ‥』



今度は俺の一方通行で終わった



そのまま外でタバコを吸う



一瞬でも"綾と…"って考えたのがバカみてぇ




旦那なんてクソくらえって簡単に思ってた



けど子供なんて…‥




俺にはもう手の届かない場所に綾はいた。






「壮介!!どこ行ってたんだよ〜」



ちょっとして店に戻ると春は完全に酔っていた



そして春の横には女がいた



本当に来たんだな




「わりぃ。電話してた」


「も〜飲んで飲んで♪」


「……(汗)」



春…気持ち悪い。





パリーン…ッ




後ろでグラスの割れた音がして振り返った



女…?

もう一人いたのかよ



…あ、こいつ…




「芽衣〜?!なにやってんの〜!!」



春の女が駆け寄りグラスの破片を拾っていた



そうそう、トトロのメイだ。



またやらかしてるよ…メイちゃん





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