言えない恋
携帯画面を見て、ため息をつく
‥だと思ったけどな
着信中の文字の横には見慣れた名前
「もしもし」
「壮介?今大丈夫?」
大丈夫じゃねぇよ
大事な大事な睡眠中なのに、何の用だ
‥なんて言わないけどな
「別に‥まだ」
電話の相手は俺の地元のツレ、春だ。
俳優、モデルを始めたのは、こいつのキッカケでもある。
「あのさ〜嬉しい報告があってよ〜♪」
「なに」
「気になる?」
「は?」
そう、春は面倒臭いヤツ
切りたくなる手を押さえて我慢する俺
ここで切ったら春が悲しむのは分かってるから
意外に友達思いな俺だったり‥
「あのさ、俺、雑誌に載るんだ♪ **の1ページ!!」
「へぇ〜よかったじゃん」
「頑張ってきた甲斐があったよ〜。すごくね?」
「すごいな」
「だろ〜♪まぁ壮介には敵わないけどな」
実は俺、春が雑誌に載ること知ってたんだよな
その雑誌には何度か載ってて、この前事務所に名簿があるのこっそり見たら、春の名前があったの見つけた
その時は、まじで喜んだっけ