言えない恋
それから少し話しをして時間も11時を過ぎた頃、俺はマンションを後にした
帰る途中、タバコを買いにコンビニに寄りレジに行く
「壮ちゃん…?」
会計を済まし、コンビニから出ようとした時誰かに呼ばれ立ち止まる
その呼び方は…すぐ分かってしまった
「綾…」
振り返り、レジの方を見ると綾がいた
―――――
近くのファミレスに入り、綾と一対一に座わった
綾が"話できない?"って言うから…
サングラスをして帽子を被ったままの俺に対して、綾はパジャマ姿に一枚羽織ってるだけの格好だった
「こんな時間に大丈夫なわけ?」
「うん…みんな寝てるし、旦那にコンビニ行ってくるって伝えてるから大丈夫」
「そう…」
「「………」」
沈黙はキツい…
なんせ綾と会ったのは17歳の時以来だから7年ぶり
変わってないけど、親ってのは雰囲気で分かる
「家…この辺?」
「うん、すぐだよ。壮ちゃんこそ近いの?仕事終わり?」
「俺は…‥」
家は近くねぇし、仕事終わりでもねぇ
芽衣ん家からの帰り道で…なんて言ってもしょうがねぇし