言えない恋





「…っ‥」



泣き出した綾



「なんで泣くんだよ…」



「壮ちゃんが…遠い…っ」



「……」


こっちのセリフだろ‥それ




そのまま何も話すことなく10分…綾は小さく泣き続けた




俺はどうするこもできず

でも帰ることもできなかった




「早く帰れよ」


「…っ‥」



「旦那も子供もいんだろ?早く帰れよ」


「壮ちゃん…」



「もう会わねぇし、連絡もできねぇ。これで最後だ」


「……」



動こうとしない綾




「じゃあな」



俺は立ち上がり、そう言って去ろうとした時




「壮ちゃんのこと好きだよ…今でも」



俺の足は止まった



「ずっと見てた。応援してた。ずっとずっと…好きな気持ちは消せなかったんだよ‥」





何…言ってんだ…?



今更そんなの有りかよ‥



そんなの‥



「壮ちゃ…」
「やめろ」



俺は振り返ることなく、その店から出て車に乗った




車から店の中にいる綾が見える



胸が痛ぇ…
苦しい‥


目が熱い…



綾の姿が滲みだし、それが嫌で車をだした




家に着いてもまだ涙は出てくる




ベッドに倒れ込み、しばらく時間が過ぎた





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