言えない恋


――――


「…で、私は?」




昼休憩。


菜緒ちゃんと早苗と三人でランチ中




菜緒ちゃんが、私の彼氏を見ちゃった話で早苗は不機嫌…?




「私は…って?」


「私にも見せてくれるんでしょ?そのイケメン彼氏くん」



「あ〜‥そ、それは勿論じゃない。‥いつかね」


「岡元さん、怒ってます?」

菜緒ちゃんが早苗に言った


「別に怒ってないわよ。でも、抜け駆けはダメだね」

「すいません‥」


「まぁまぁ、その話はいいじゃん。ご飯冷めちゃうし食べよーよ!」





菜緒ちゃんといい早苗といい、なんで私の彼氏が気になるわけ‥?




そりゃ相手が壮介って知ってたら見たい気持ちは分かるけど


二人は知らない


そんなに人の彼氏って見たくなっちゃうものなの…?



――――



仕事も終わり、帰りにコンビニに寄った



欲しいものを手にレジに行くと、入り口から女性の方が息を切らして入ってきた


「どうかしましたか?」



店員が女性に問いかける



「いえ…なっにも…っ」



息を飲みながら話す女性




様子…おかしいよ‥?



店員も私と同じ気持ちだったのか、不安そうな顔つきで私の会計を済ました




その女性は"はぁはぁ"言いながらトイレに入っていった




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